19 JMX Rd.1 KYUSHU
2019全日本モトクロス選手権シリーズ第1戦九州大会。開幕戦最後のプログラムとなったIA1ヒート2の表彰式。「雨の中応援ありがとうございました。ほんとに苦しかったシーズンオフを過ごしてきた。言葉が見つからない…。」それが頂点に立った山本の第一声だった。昨シーズンの最終戦、まさかの大クラッシュで右を脱臼してチームメイトである成田の逆転タイトルを許した。その後すぐに手術に踏み切ったものの、肩は術後数カ月完全固定を強いられる。誰よりもトレーニングを重要視するライダーだ。何もできない状態ほど山本にとって苦しいことはない。ようやく肩のコルセットを外し運動の許可が下りたのは2月。マシンに乗れるようになったのは、開幕まで残り1カ月となってからだった。それでも山本は第1ヒート、第2ヒート共に全体のベストタイムをマークし、ライバルを置き去りにした。このスタートダッシュこそが、これまで積み上げてきた彼の努力の成果だ。「完全復活なんてとんでもない。ようやくここからです。」最強のチャンピオン成田からタイトルを奪い取るために、更なる進化が開始される。