17JMX Rd.2 KANTO
エントラントではなく、観客を主体としたイベントにシフトしなければ、全日本モトクロスは消滅してしまうのではないかと考えている。もちろんライダーやチームを疎かにしてかまわないということではない。お客様が支払ってくれる入場料金で運営や賞金が賄われ、見る側も参加する側も、もちろん運営サイドも、みんながハッピーになれるシステム。名阪スポーツランドで行われる近畿大会は、いち早くそういう取り組みを進めてきたように思う。そして今回の関東大会も、そういう考え方に大きく前進できたように感じた。
まず最初に安全対策への取り組みがあった。場内実況を含めた放送も、お客様へのサービスが優先されていた。それらの背景には当然、多くの関係者の尽力があり、更なる努力や工夫が必要になる。ライダーたちは、大勢の観客の前で走れることが喜びだと思うし、見守る視線や声援を受けて力を発揮する。見応えのあるレースが繰り広げられれば、観客は自ずと盛り上がる。その相乗効果がライダーや大会そのもののレベルアップに繋がっていくのではないだろうか。引き算ではなく、足し算や掛け算になるサイクル。
白熱のバトルに沸き上がるお客さんの顔をみて、「見せたいんじゃないんだ。喜ぶお客さんの顔が見たい。」そう語ってくれた佐藤英吾の顔をふと思い出した。全日本モトクロスはまだまだ頑張れる。
写真はIA2H2、優勝した岡野とトップを走っていた古賀のサイドバイサイドのバトル。このパッシングシーンの直後に古賀が転倒し、岡野が今季初V、小川が大会総合Vに輝いた。