カワサキの発表会

04TSXnakamura01ブログの更新ページに書いてアップロードしようとしたら見事にブッ飛んだ。ダァ~、もう。書き直しは辛いよね。そう思ってちょっとサボッたらクリスマスだ。サンタの仕事は終了したから、再度挑戦。
タイSXの発表記者会見のあと、バンコク市内の別のホテルで行われたカワサキの発表会に出席させてもらいました。ちゃんと受付したので、ある意味唯一の海外メディアだったかもしれない。それはどうでもいいけど。
タイSXの発表会も盛大だったが、カワサキの発表会はさらに輪をかけて大がかりなイベントだった。ちょうど幕張でやるモーターショーの基調講演とメディア向けのアピールタイムを切り取ってきた感じ。ちなみに発表になった機種はKLX110とKLX300で、別にニューモデルってわけじゃない。じゃぁ、何なのよと言えば、今までどっかの工場(たぶん日本国内)で造ってたこの2機種をタイカワサキが製造をすることになって、じゃぁタイ国内でも販売しよう…と書くとすごく短絡的だけれど、つまりはそういことになったんだと思う。
ただし、これまでタイ国内ではいわゆるタイバイクと呼ばれる150cc以下の実用バイクしか販売が許可されてなくて、ナンバーの付かないスポーツモデルの販売は初めてのことなのだ。それだけでも大事件。ちなみにタイは国内産業の保護政策を取ってて、輸入品にはいきなりべらぼうな税金を課してきたらしい。だから国内で流通するのはタイ国内で生産されたバイクだけで、しかも実用車しか販売が認められなかったから、タイで見かけるバイクは、自ずとタイカワ、タイスズ、タイヤマハ、タイホンダが生産したいわゆるタイバイクだけというのが実情だったのだ。そこにナンバーの付かないスポーツバイクが初めて市場参入できることになったわけ。ある意味緑の黒船状態。当然カワサキも気合を入れて乗り込むことになった…んだと思う。
ここまで書くと、じゃぁタイのモトクロスはどうしたてたんだ? という疑問が湧いて来ますよね? そうなんです。タイでモトクロスするのは大変なのです。例えば125ccクラスのマシンの新車価格が60万円だとします。モトクロッサーはタイ国内では生産してないので、購入しようと思ったら、輸入以外に手はありません。そう思って海外のディーラーに注文してタイ国内に輸入しようとすると、いきなり80%だかの税金が課せられて、手数料その他を含めた車両価格は、一気に2倍以上に跳ね上がってしまいます。この金額は、タイ人の平均年収の数年分に相当するそうです。日本人が超高級外車買うくらいの出費だそうです。
もちろん、それは正規に輸入手続きを取った場合で、国境の税関に賄賂渡してマレーシアから持ち込むとか、車体をバラしてパーツで持ち込んで組み上げるとか、いろいろ手はあるらしいです。当然のことながら、それでも決して安くはないです。もちろん正規ルートで購入している人も少なくないです。つまりいろいろです。今年、沖幸っちゃんがKTM85をバラしてタイに持ち込んで、KTMタイに初上陸…なんて言ってたら、選手が宿泊したホテルの駐車場に05KTM125SXを2台積んだピックアップが停まってて、みんな唖然となったのでした。オーナーに聞いたら(聞いてもらったら)「正規の代理店で買って来た」そうです。「このオッサンどんくらい金持ちやねん」と目が点になりました。
たぶんこれは推測だけれど、タイ人の平均年収云々というのは日本の感覚とは大分違って、相当大きな振幅の平均なんじゃないかと。つまり、たいそうなお金持ちがタイには大勢いて、そういう人たちがモトクロスをやったりやらせたりしているわけです。日本のモトクロスは、「もっとも親しみやすい(リーズナブルな)モータースポーツ」という位置づけだけど、タイのモトクロスはとんでもないお金持ちがチームオーナーだっりスポンサーに付いていたりして、モータースポーツの最高峰に近い扱いを受けているわけです。そういうバックボーンの下でレースが行われるから、タイのスーパークロスは認知度もステータスも高いわけ。日本のF3000にちょっと似てるかも。F3000よりも、ル・マンなんかに出てるチームのほうがそれっぽいかな。どうかな、まぁ、わからないことは言わないでおいた方がいいですね。
で、話が逸れましたがカワサキの発表会です。当日専門誌、一般誌、新聞、テレビ、ラジオなど計100社近いメディアが取材に来たそうです。ナンバー付き実用車のニューモデル発表でも、必ず翌日の新聞、テレビがニュースとして取り上げるお国柄らしいので、初のモータースポーツ専用車発売ともなれば、そりゃ一大事件だったわけです。あとで聞いたら、案の定翌日の新聞には大きく取り上げられていたそうです。中には「リゾートホテルがまとめて購入して、レジャーの目玉に」みたいな記事も出ていたそうです。ナルホドナルホド。
でね、これはボク自身がここ数年タイに取材に行って気付いたことなんですが、4輪も新車が増えてるんです。それも半端じゃない勢いで。KTMのオッサンの話や新聞の記事のことを教えてくれたバンコク地に駐在している友人の話だと「オマエの収入でそんな高いローン組んでやってけるの?」という人までガンガン買ってるらしいです。タイは食費も住宅費も物価も安いので、収入の大半をローンに回しても、案外やっていけちゃうそうなのです。つまり、昭和でいうところの30年代、40年代のマイカーブームがタイ国内に吹き荒れているらしいのです。しかも急激な速度で。
タイカワサキが実用車からスポーツに目を向けたのも、当然そういう背景があってのことなんだと思うのです。方向転換ではないにしても、スポーツという新たなモーターサイクル文化を切り開くパイオニアになろうというアプローチではあるわけです。これはスゴいことだと思う。
だって、元々タイの人たちはバイクが大好きで、モトクロスがすでに高い認知度を得ているわけです。そんな国でオフロードスポーツを普及させたら、そりゃ根付かないワケがない。オフロードバイクで遊んで、やがて本格的な競技指向にスイッチする若いライダーだって出てくるに違いない(…すでに出てきてるんですけどね)。今年のタイSXは、いすゞのピックアップトラックが冠ポーンサーとなり開催されました。レースは全国生中継。これだけでも十分先を越されてるわけだけど、日本がスタートで掛け違えたボタンをあれこれ弄ってる間に、タイのモータースポーツは、ファスナー占めるみたいに、一気にチィーっとレベルアップして来るだろうなぁと思ったのでした。
今のところ、アジアのモータースポーツのリーダーシップを取っているのは日本かもしれないけれど、数年先はわからないですよね。日本も頑張らねばと思いつつ、タイカワの取り組みにもぜひ成功して欲しいと思ったのでした。


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