18JMX Rd.4 CHUGOKU
小方、成田、山本のバトルがとにかく圧巻だった。第1ヒートは成田が先行し後方から小方が追い上げる展開。互いに手の内を知る成田と山本が牽制し合ったことで、小方にチャンスが転がり込んできたようにも思えた。山本がポジションを下げ、トップ争いは成田と小方の一騎討ちになる。追う者と追われる者の関係を持ちだすまでもなく、後半の勝負は圧倒的に逆転を果たした小方に有利に見えた。それでも今年の成田は最後まで勝負を諦めない。両者ラスト2周にそれぞれのベストラップを更新。テールtoノーズの戦いは小方がタイムで上回り、このままいけば小方の逆転逃げきりと誰もが予想した。ラストラップ残り半周、バックマーカーの転倒がこの一気に流れを変える。観客の目が届かない裏の上り。切り返しとなるブラインドコーナーの先にイエローフラッグが振られたため小方はスピードを緩めざる終えない。逆に成田は小方の対処をフォローすればいい。テールtoノーズからサイドバイサイドに変わった一瞬のチャンスを成田が見逃すハズがない。下りから上りに転じるヘアピンコーナーで、インを抑えざるを得なかった小方のリアホイルが大きく跳ねた。アウトからスピードを乗せた成田が前に出る。両者全力を出し切った末の再逆転。第2ヒートは三つ巴となったバトルを冷静に捌いた小方が優勝。完璧と言っていいほぼのコンディションに仕上げられたコースがこの名勝負を演出した。唯一残念だったのは、第1ヒートの勝敗のポイントが観客からは見えない、正にブラインドでの出来事だったこと。もうひとつ、トップ争いのみならず、第2グループの攻防で盛り上げたプライベーターたちへの称賛がほとんどなかったこと。勝ち負けもレースだが、3位争いや5位争いもレースだ。