15JMX Rd.10 MFJ-GP
そういう予算が使えるようになった…ということなんだと思う。過去に例のないくらい豪華な顔ぶれが来日参戦してくれた最終戦。おかげでSUGOには、これも久々といっていいくらい大勢のファンが押し寄せた。
フェーブルもガイザーもカナードもみんな転倒していたから、それこそ本気モードだったんだと思う。そんな「世界の走り」の後方で、いささか影は薄くなったが、十二分に見応えのあるタイトル争いが繰り広げられた。特にIA1に至っては、小島がチームメイトの熱田を1ポイント差で抑え、念願の初タイトルゲット。小島があとひとつ順位を落とせば、あるいは上位に何か波瀾があれば。逆転の可能性を残したまま最後まで戦い続けた両者。最終ラップの深谷との攻防、ジャンプでバランスを崩した熱田は、パドックに戻るなり「死んだかと思った。」と、その戦いが命懸けだったことを吐露した。
エースゼッケンを付けて新たなシーズンを迎える小島。タイトル奪還を狙う成田と熱田。そして次こそはとタイトル奪取を目指すライバルたち。束の間の休息を経て、ライダーたちは、脈々と受け継がれて来た歴史の新たな1ページを開くことになる。