15JMX Rd.5 KOBE

BP5Q1232w

開催前は、「狭くて簡単で差も出ないからスタートで決まっちゃう。レースにならない。」「あんな短いコースで30分なんて無理。お客さんだって飽きてしまう。」ほとんどのライダーがそんなコメントをしていた。しかし結果は、差が出にくい分随所で接近戦が繰り広げられ、特にIA1では、トップライダーにしか出来ない白熱のバトルにコースサイドの観客は大いに盛り上がった。レース後は、「案外面白かった。何よりお客さんの盛り上がりが伝わって来て楽しかった。」とライダーたちの表情も変わっていた。

もちろんネガな意見も沢山届いた。「スタートが遠くて迫力に欠ける。」「駐車場の対応が悪かった。」「人垣で見にくい。」「ジャンプも含めて迫力不足。」演者であるライダーが全力を出し切り、それに対して客がもっと高いレベルを要求する。採算はともかく、興行として、これは成功した部類なんじゃないかと思う。もし日曜の雨が止まなかったら、レースの迫力も何もなくなっていたはずだ。ヒート毎に怪我人が出て救急搬送が行われたら、競技は続行出来ただろうか。IA1だけの大会ではない。万が一バランスを失ったライダーが観客席に飛び込んで観戦者に怪我でも追わせたら、来年以降の継続開催どころか、競技自体中止に追い込まれていたに違いない。

熱い思いとたくさんの努力と楽しもうという気持ちが、次に繋がればいいなと思う。全日本モトクロスの新しいページは確かに開かれた、その瞬間に立ち会うことが出来て、少なくともボクは幸せだった。


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