エフワン
新聞休刊日の今日、SAF1のレース撤退を伝えるメディアはたぶん駅・コンビニ売りのトーチュウだけなんだろうなと思う。
実は、随分前のことだけれど、ライディングスポーツ誌の仕事で、鈴木亜久里さんにインタビューしたことがある。彼が日本GP鈴鹿で3位表彰台に立った年のオフだったと思う。話の内容から、「僕の夢は加速する。」というキャッチタイトルを付けた。
当時すでに押しも押されもしないレース界のスーパースターだったわけで、初めてお会いしたときはちょっとだけ緊張したんだけど、実際に会って話してみたらめちゃくちゃ気さくで、2輪のレースのこともよく知っていて、なにより日本のモータースポーツの将来をすごく真剣に考えている人で、取材していて楽しかった。
子どもの頃からみんなに応援された分、今度は自分が子供たちに夢を与えられるようにならないと。具体的な方向性はまだ見えてこないけど、いつかF1チーム持ちたいよね…。そんなことをおっしゃっていた。
スーパーアグリF1チームというプロジェクトがスタートしたとき、レース業界の人たちの多くが「無謀だ。」と言っていたけれど、本当に夢を実現させちゃう人なんだなぁというのがボクの印象だった。
きっと今回の撤退で、やっぱり無謀だったって言われちゃうんだろうけど、夢に向かって突き進んだ彼と現実を諭す論調は決して交わらない気がする。
夢を見る力、夢を支える力、どちらも大事だ。で、日本はどっちも元気がなさ過ぎるんじゃないのか。
日本のモトクロス界で1番デッカい夢を見てるのは、誰だろう。