できること
夕方のニュースが本田美奈子さんの訃報を伝えていた。ボクと同年代の方は名前を知ってると思う。そう、アイドルを卒業してミュージカルとかで活躍していた歌い手さんです。
RS誌に在籍した当時、「My Racing Scene」というインタビューコラムを担当していて、いわゆる芸能人と呼ばれる何人かの方にお会いした。小倉智昭さん、高田純二さん、チェッカーズの高杢さん、真木蔵人、イカ天の構成作家佐々木勝俊さんもタモリ倶楽部なんかじゃ頻繁に露出していたから十分タレントさんだったと思う。現横浜監督の牛島さんとか村田兆治さんなんかもいた。ほとんどがバイク好きだったり、レースとちょっとだけ関係があったり。編集方針で「ミーハーな意味での有名人」が対象だったので、その方面に最も疎いボクにとっては人選も取材のアポを取り付けるのも毎回難儀だった。
本田さんも、そんな取材の中でお会いした一人。当時、ネスカフェがレーシングチームを持っていて…というか、ヤマハ系(ワークス?)チームのスポンサーをしていて、そのマスコットガール的な存在だったと記憶する。バブルちゃぁバブルだけど、今思うと華やかな時代だったんですね。で、まぁ、そんな関係で取り上げさせてもらったんだと思う。トントンと話が進んで、麻布の事務所の応接室でお会いしたご本人は、外見も人柄もテレビで見ていたままで、ある意味びっくりだった。インタビューは「こないだ初めてタイムキーパーやらせてもらったんです。もうドキドキでした。あの感覚は、ステージの緊張感と同じですね。」…みたいな内容だったと記憶する。
骨髄性白血病を患って芸能活動を休止するというニュースを確かに聞いた覚えがある。1月から療養生活を続けていたらしい。最近じゃ、骨髄移植とかで病気を克服したという話題の方が多かったように思う。実際のところはどうなんだろう。ボクの身内では亡くなった方が一人、移植が成功したという人が一人。本田さんには適合ドナーが見つからなかったってことだろうか。
そのドナーなんだけど、こないだモーターショー行ったついでに骨髄バンクの登録ってのをしてみた。モーターショー行ったのもエバーツ、カイローリに会うついでだったし、帰りがけ、ふと献血コーナーに骨髄バンクの看板があったので、ついでのついでに立ち寄ってみたのだ。そしたら、ついでのついでのついでに献血もお願いしますということになって、別にいいですよ~って感じでOKして、採血前に問診を受けたら、献血は、ネイションズ取材でフランス行ってからまだ1カ月経ってないって理由でダメになったけど、骨髄バンクに登録するための検査採血はしてもらえた。採血前にいろいろ説明を受けて、適合者が出た場合、骨髄を提供する場合はいろいろ手続きやら措置入院やらが必要でわりと大変だということを知った。ついでに登録自体は献血よりも簡単だということも理解できた。
日本のモトクロスはまだまだマイナーだ。メジャーになりたいとみんな願っている。なぜメジャーになれないんだろうと強い口調で糾弾する人もいる。関係者の中には、ああしてほしい、こうしてほしいという願いや要求が一杯ある。社会に対してできることだって一杯あるはずなのに、そこにはあまり目が向けられていないような気がする。骨髄バンクの登録者数は、元サッカー日本代表の井原正巳さんがドナー登録し、それをキャンペーンCMで報じたのをきっかけに急激にその数が増えたそうだ。