「JMX 2023 第7戦HSR九州大会」 ファイナルヒート”IA Open”についての考察

今週末、熊本県菊池郡大津町のHSR九州で開催されるD.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ 2023 第7戦 HSR九州大会。 IAクラスのみの1DAY開催。20分+1周×2ヒートと IA1+IA2の混走で行われるスーパーファイナル、ヒート3。そんな中IA1クラスでは、タイトルに王手をかけたジェイ・ウィルソン選手のV2決定の可能性が大きいこと。IA2は急接近したビクトル・アロンソ選手と横澤拓夢選手のポイント争いなどが主な注目ポイントとなる一方で、全日本の新たな試みとなるIA Open、IA1、IA2上位各15名によるヒート3がどんな展開になるのかにも大きな関心が集まっている。

IA1とIA2の混走レース 自体は今回が初めてではない。全日本の活性化を目的にシュートアウトの名称で試行されたのが2010年。当時レース時間の短縮はなく、従来の30分+1周×2ヒートが踏襲された。ただ、ポイントがクラス毎に付与されたため、IA2ライダーがIA1ライダーに挑むという展開にはならず、それぞれクラス同士の順位争いになったと記憶する。

今回のIA Openはその点が当時とまるで違う。450と250では当然450が有利で250は不利。しかし250のライダーが450勢に割って入れば、確実にポイントの変動は大きくなる。

ちなみに今回と同じHSR九州が舞台となった開幕戦を振り返ると、IA2ファイナルヒートのベストタイムはビクトル・アロンソ選手の 1:57.382。IA1は能塚智寛選手がマークした1:54.132でかなりの開きがあるが、ポイント獲得圏内のレースタイムはほぼ同じで、単純に比較は出来ないが、ヒート3に関して言えばジェイが1位、ビクトルが2位、大城魁之輔が3位、浅井亮太が4位という、IA1とIA2が交互に入り混じる順番になる。

ただし先に述べたように、レースタイムでのみ比較することには無理がある。ただでさえスタートから1コーナーまでの距離が長いHSR九州。余程のことがない限りパワーに勝る450が先行するのは間違いなく、250はその後方から追い上げのレースを強いられることになる。

レース中のバトルも同様、コーナーやジャンプなど各セクションの進入や立ち上がりでも450の加速力は250を遥かに上回る。コーナーやジャンプの通過速度を落としたくない250に対して、450はストップ&ゴーでも対応できてしまう。強いて250の優位点を挙げるなら、車体の軽さに起因する切り返しの早さで、450の間隙をついてベストラインをトレース出来るかどうかが勝負の鍵になりそうだ。

ただしこの週末はまとまった雨の予報。マディコンディションの中でパワーと軽さのどちらが有利になるのか、誰がそこにチャンスを見出すのか、それはやってみなければわからない。ゲートダウンの先にどんなドラマが待ち受けるか、しっかりと見届けたいと思う。


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