18JMX Rd.6 TOHOKU

土曜の朝、最初の場内放送だったように思う。熱中症の危険を考慮してレース時間を短縮するというアナウンスが流れた。IBやLMX、チャイルドクラスや併催のジュニアクラスなら理解はできる。大会が始まる前に、最高峰のIAクラスの競技時間を短縮するという決定に大きな疑問を持った。確かに例年以上の猛暑が予想されていた。それでも、レースの進捗状況を見て適切な判断を行うのが本来のあり方ではなかったのか。数年前、優勝した成田 亮選手が「最後の5分をどう戦うかが勝負所。そのために準備している。5分短縮したらそれはもうレースではない。」とコメントしたことを覚えている。
その成田選手は、第5戦九州大会の怪我が実は骨折だったことが判明し、手術を受けたために万全の体調とはほど遠いコンディションでこの地元大会を迎えていた。決勝日、25分+1周を更に短縮し、20分+1周にする必要かあるかどうかのブリーフィングで、山本 鯨選手ただ一人が30分の選択はないのか? と発言した。全員が元々のレース時間を想定して備えてきたハズだ。山本選手だけでなく、若手にとってはそこにチャンスがあったかもしれない。それでも賛同の声は集まらず、逆に20分+1周を望んだ者が少なからずいた。苦境の中にいた成田選手は、あえて挙手をしなかったように記憶する。主催者側には、連日のように報じられる熱中症のニュース、何より猛暑のこの大会で命を落したライダーが過去にいることが念頭にあったのだろう。ともあれ今年の夏の藤沢は、「安全」最優先で行われた。
運営が決め、選手が納得した上でのレース時間だ。誰にとってもイコールコンディション。今更結果を論じることに意味があるとは思えない。ただ、競技時間の短縮に明らかに救われたライダーもいたし、あと1周で勝利を逃したライダーもいた。そのことだけは備忘録として記しておこうと思う。
写真はIA1の表彰式。このレースに照準を合わせてきたライダーたちのシャンパンファイトの飛沫が、午後になってやや涼しくなった藤沢の風に舞う。


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