またひとつ

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全日本はもちろん世界選手権もアマチュアやキッズのレースも全国大会も、MXのあるところどこにでも行きたい。でもブヨブヨでしかも確実に老いてきた身体は1個したかないし、お金だって要るので、常にお財布というか、あちこちからの借入額、つまり借金と相談しながらってことになる。そんな中で、たまにどうしても行きたくなるレースやイベントも出てくる。日本代表チームが参戦再開を果たした96年のMXoN(当時はモトクロス・デ・ナシオン)がそうだったし、熱田孝高選手がMXGP参戦を開始した年のファルケンスワード(せっかく行ったのにヨッシーはいきなり大腿骨を折っていなくなってしまった)、次の年の開幕戦のスペイン・ベルプーチ、エーゴとダイスが初めてアメリカのFMXコンテストに参加したベイカーズフィールド…。で、今回のMXGPアッセン。
アッセンはもともとダッジTTとかで有名な、ロードレースの聖地みたいな伝統のあるサーキットだ。そこでMXGPをやるって聞いて、これはまた新しいモトクロスの「世界」の扉が開くんだなと思って、ホントは初開催された去年来たかった。でも夏休み期間はチケットも高くて、あとたぶん首の旋回可動域が究極狭かったんだと思う。そしたら今年畑尾樹璃選手がWMXにチャレンジすると聞いて、しかも山本 鯨選手もケガから復帰するらしいと聞いて、これはもう行こうと決めた次第。
もうひとつ、もうすぐ二十歳になる次男を海外に引っ張りだしたかった。長男は小学校6年生のときに、前に書いたベイカーズフィールドに一緒に連れて行って、コンテストの後ラスベガスとかモニュメントバレーとかアリゾナのクレーターとかNBAクリッパーズの試合とかあちこち連れ回した。子供のときからずっとバスケばっかしていた次男は、バスケ以外でどこにでかけたことがあまりなくて、親としてまぁこういうのも一回くらいはね。でも彼もそこそこ大人なわけで、金のないオヤジとベッタリではつまらんだろうから、ユーレイルパス買ってやって、空港着くなり好きなところに行って来いって放り出した。本人はいろいろ計画を立ててたようだけど、出発日に台風が関東に直撃して、予定した飛行機が大幅に遅れて、そしたら航空会社から電話がきて、羽田じゃなくて成田に行ってもらえればなんとか乗り継げるかもしれないと言われて、成田に行ったけどやっぱり乗り継ぎ便には間に合わなくて、ヨーロッパに行くはずがアジアのエッセンス濃縮したみたいな台北で丸1日過ごすことになって、文字通り出端を挫かれたわけだけど、これが存外楽しくて、まぁ、そんな感じの二日目の初日がなんとか終わった。
こっちはこっちで案の定トラブルというか不手際続出で、レンタカー借りれなかったり、ホテルもキャンセルされちゃったりとまぁドタバタ。畑尾選手には差し入れ持って行くねって約束していたので、これだけは果たさなきゃと思って昨日は電車とバスと徒歩でローカルコースまで行った。そんな感じで今のところ…ってまだこれからなんだけど、なんとかなっている。
写真はホルストの近くにあるローカルコースで事前練習中の畑尾選手とメカの山崎さん。ヨーロッパのサンドコース、予想より遥かに難易度が高くて、「昨日のロンメルはコーナーのRが大きかったからまだ速度を上げることができたけど、ここはどうしていいかわからない。」と大苦戦中。ちなみに乗ってるバイクはフェランデスの本番車でバリバリのワークスマシン。でもってアッセンの特設コースの難しさはこんなもんじゃないらしい。でもね、どんなチャレンジも困難なほど得るものが大きいんじゃないかな。WMXフル参戦を本気で狙っている畑尾選手。ヨッシーのときも、エーゴ、ダイスの時もそうだったけど、こんなシーン、見逃しちゃイカンでしょ。とまぁ、そんなこんなでバタバタしてたらまたひとつ歳を取ったらしい。さて今日はどうしよう。この行き当たりばったりなところは、たぶん一生変わらないんだろうけどね。


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