エンジンルイ

高級温泉旅館で行われた泊まりがけの同窓会を途中でブッちぎって斑尾行ったら最後の雪坂登れず温泉ザル見て帰って来たっていう、なんとも情けない取材観光ドライブの記憶の記録。

結構な雪道トレッキングだった。最寄りの温泉街の宿泊客(と思われる人)と、途中すれ違った人の大半が外人さんだったことにびっくり。日本紹介の観光ガイドブックに必ず載ってるのかしら、日本有数の観光地なんですね>地獄谷温泉。ヨーロッパ系の外人さんはすれ違うときニッコリ笑う。中国や韓国の人たちは、「私たち外人なので話しかけないでね。」的な表情になる。これは(もちろん外見もだけど)日本人と似ている。

欧米系の外人さんが笑うのは、私は敵じゃないですよっていう意思表示なのかもしれない。そんなに敵が多いのかなと思ってみたり。

で、1時間ほど歩いて出会った温泉ザルは、本当に温泉に浸かっていた。風呂上がり強烈に湯冷めするだろうなと思ってたけど、あんまり関係ないみたいだった。人間だって湯上がりは火照るもんね。一緒に入ってもいいのかなぁなんて考えていたので、湯船でウンコすんなよと思ったけど、それもあんまり関係ないみたいだった。下町の銭湯では許されないが、場所は長野の山の中、砂町じゃない。

それまで見てた写真とかニュース映像とかから、なんとなく、みんな仲良く入ってそうだけど、そこはサル。ギャーギャー騒いだり、ボス系の大きいのが若造を苛めたり、お母さんかお婆ちゃんだかわからないけど、赤ん坊を沈めて泣かしたりしていた。そこはまるで銭湯みたいだった。報道はいつだって偏る。常にその一面しか伝えない。

サルは上下関係とか男女関係とかいろいろ厳しくて…それはルイジンもジンルイも同じか(笑)、群れの中でしょっちゅう諍いを起こすけど、噛んだり引っかいたりして怪我させても殺しはしないんだそうだ。でも本当のところはわからない。親や先生の見てないところで寄ってたかって弱い者いじめをして、マンションの非常階段や校舎の窓はなくても、吊り橋とかダンガイゼッペキとかはいくらでもありそうだから、飛び下り自殺に追い込んだり、ストーキングした挙げ句に思い余って石で頭を殴りつけて山中に埋めちゃったり(…この場合人間と逆で町中の方がいいかもだけど)、京都大学のルイジンエン学部(そんなのねぇよ)の研究者が見てないところで、案外エゲツないことしてるのかもしれない。

でも、少なくとも、草も木も生えない砂漠に別の仲間を押し込めて、縄張り挟んでで撃ち合いしたり、ヒコーキ飛ばして無差別に爆弾落としたりはしてないハズだ。

スナモ…じゃなくてスノモ行き損ねて温泉ザル見ながら(ホントは帰ってニュース番組見ながら)思ったのだ。エンのないジンルイはなかなか冷酷というか残忍だ。首切って背中に置いたり丸焼きにするのもそうだけど、そこに爆弾落としたり、そもそもそういう生活(文化? 文明?)に追い込んだり。

温泉ザルはきっと、実は秘密裏に、温泉入るとエサがもらえるシステムになってるに違いないと勝手に思っていた。実際に、管理人だかアルバイトさんが餌を運んでいるのを見た。雪山の中で人間が餌をご馳走してくれるなら、それはもう高級温泉旅館の宴会と同じで、サルじゃなくても風呂くらい入るに違いない。セントーしてる人もナンミンも、長野より寒そうなウクライナの人たちも、降ってくるのが雪じゃなくて砲弾だったら、のんびり温泉に浸かってる余裕なんてたぶんないだろうと想像する。

ごはんが食べられないのは可哀相だなと思う。それ以前に水はあるのかな。だからと言って、食事や水を運んでも、それで全てが解決されるとは思えない。ボクはサッポロ一番塩ラーメンさえあれば生きて行けるって普段ホザいてるけど、2週間そればっかで過ごせたのは高校2年の福島~京都ツーリングのときのハナシで、今は2食続けてなんてとても無理。せめてキャベツは入れないとね。

例えば海水を真水に変えるプラントを作って、それで野菜を作れるようにして、コンデンスミルクなんていらないくらい甘いイチゴじゃなくても、多少ビタミンのある新鮮な食べ物が採れるようになったら、少しはイライラも収まるんじゃないだろうか。海水を真水に変えるプラントの動力は、石油で作った方がいいのかゲンシリョクがいいのかはわからない。でも、エンのないジンルイを幸福にするのは、少なくとも火薬ではないと思う。

温泉ザルを見に来た外人さんは何を感じ取ったのだろう。温泉ザルがいる日本のジンルイは、何をすべきなんだろう。温泉ザルを見てそんなことを考えた冬の一日。


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