ありがとう。

ありがとう。ありがとう。ありがとう。
母さんのことが大好きでした。ここ数年、名前を思い出してくれることはなかったけれど、記憶がはっきりしていたら、ずっとそうしてきたように、俺のことをきっとチャン付けで呼んでくれたんだよね。
兄が亡くなった時、貴方は壊れた。あれから30数年経って、再び貴方は壊れて行った。
嬉しいことも楽しいことも記憶に残せない。「今」が記録出来ない貴方を不憫に思った。
でも貴方は、全ての出会い、全ての出来事を、その都度精一杯喜んでくれて、一度も俺たちを不快になんてさせなかった。
病院のベッドにいた3年間、全ての自由を奪われて、それはとても辛い時間だったと思う。
貴方の脳が、そのことを記憶出来なかったのは、本当に幸いだったと思います。
地震の恐怖も、震災の悲しみも、理解出来ずにいたことは、優しい貴方にとって、それが幸いだったのだと思います。
こんな俺たちに、最後の最後まで気を使ってくれたよね。
ありがとう。ありがとう。ありがとう。
母さんへ


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