マンゾクド

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例年第9戦でチーム(会社?)からの内定があって、最終戦で仮契約…な流れだったらしい。ライダーの契約や移籍に関する話です。
それが今年は震災の影響でレーススケジュールが大きく後にズレた。でも会社(メーカー)の年度予算や来季の計画立案時期は変わらないから、今年は第7戦の中国で内々の話があって、先日の九州で仮契約…みたいなパターンが多かったと聞く。大型移籍のウワサもずっと出ていたし、条件が合わなくて余所と話をしたり、来季の契約がなくなって「どうするの?」と心配されてるライダーも何人かいた。ライダーとしては正に死活問題。生活そのものに直結することだから、みんな必至だし、それぞれ大変だ。
一方で、来シーズンから施行される25歳の年齢制限。来年、2013年中に25歳以上となるライダーはIA2クラスを走ることが出来ない。第9戦のエントリーリストを参照すると、井上、押川、尾崎、山本、小方、渡辺、桑垣、星野裕、中村、加藤、須田の各選手はすでに規定年齢を超えており、高原、斉木、多田、島崎各選手他数名が該当することになるのだと思う。おそらく全体で15名を上回る選手がIA2に残留出来なくなり、IA1へのスイッチを強制されるわけだ。
ボクは年齢制限の基準を「世界」に合わせて22歳にすべきだと主張してきたし、個人的にはこのルール改定を肯定的に考えてきた。でも、そのルールに今、無理があるのではないかと思い始めている。先の委員会議事録には、「来年からIA1の増加が予想される」とあるが、果して本当にそうなるのだろうか。
IAクラスには10名を超えるワークス及びセミワークスのライダーが参戦している。ファクトリーマシンと言う圧倒的な戦闘力を持つマシンで参戦するチーム、ライダーもいれば、先行開発を目的に量産ベースのマシンで戦いライダーもいて体制は様々だ。ただ一概に言えるのは、彼らは完全なプロフェッショナルで、少なくともシーズン中の収入が保証され、レース参戦の費用も恐らく会社が負担しているのだと思う。先の15名の内の何人かはそのチャンスを手に出来るかも知れないが、大多数は自ら80万円を超えるマシンを購入し、家族や仲間がボランティアで活動を支え、自費で遠征しレースに参戦することになる。それもモトクロスの面白さではあるが、それはまるで機関銃と竹槍の構図で、馬と鉄馬の違いこそあれ、風車に突進するドンキホーテの物語を連想してしまう。
メーカー系のチームだって実情は大変なはずだ。震災、円高、タイで起きた大水害…。今年起きた「未曾有」の出来事を考えると、このまま日本のレースは続くのだろうか不安になる。サブプライムローン問題による経済危機を主な理由ホンダがF1活動を休止すると発表したのは2008年の12月5日でついこの間の出来事だ。ホンダワークスHRCも2シーズン活動を休止。HRCは今シーズン活動再開を果したが、今現在、2輪メーカーを含める国内の産業界が直面する危機は、3年前を遥かに上回るのではないかと想像する。予算の削減はおそらくずっと続けられてきた。削れるものは全て削って、もうこれ以上削る予算が無くなったら、あとはきっぱり止めてしまうか、バッサリと切る以外ない。今のところメーカーチームに止めるという動きは見られない。でも、12/5の例もある。決して予断は許さない。
あくまでも個人的な意見だが、全日本モトクロス選手権を含めたMFJのレースというのは、個々のライダーや観客ではなく、メーカーの意向を最大限に反映させることを、発足当時から基本にして来たのだと思う。その成り立ちの根本を変えなければ、普及、発展はおろか、継続さえ危ういのではないかと危惧するのだ。経済はおろか、足算引算さえ苦手なので誰かに解説をしてもらいたいくらいなのだが、MFJの決算報告を見ると、メーカー、施設が支払っている特別会員会費よりも、個人会費の方が圧倒的に多いことが分かる。選手会はライダー(会員)の意向をどう伝えているのだろうか。会員(ライダー)を窮地に追い込むのではなく、満足度を高めることを最優先するのがMFJの役割ではないのか。参加者、観客が楽しみや幸福、夢を見いだせる全日本への改革が急務だと思う。時間はない。沢山の知恵と労力が必要となるだろう。しかし、何もかも失い、ゼロどころかマイナスからの復興を目指す東日本大震災被災地のことを思えば、それが決して不可能だとは思えない。


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